ダビデ・アルカンジェリ

前回に引き続き、自動車業界の偉人をお届けします。
第三弾は、悩みまして「ダビデ・アルカンジェリ氏」にしました。
この方を知っている方は超マニアックか、アルカンジェリ氏のデザインした車を所有していた事がきっとあるのではないでしょうか。
かつてピニンファリーナに在籍したデザイナーで、既に故人となっています。
この方を一躍有名デザイナーにしたのは、世界で最も美しいクーペと呼ばれるプジョー406クーペではないでしょうか。
デビュー時に世界中から絶賛され、今も自動車愛好家からは名車と呼ばれています。

そして、フェラーリの新時代を作ったフェラーリ360モデナも彼の作品です。
私は初めてフェラーリ360モデナを見た時衝撃を受けました。
それまでのフェラーリのデザインと全く異なるスタイルに、最初はがっかりしたのを覚えています。
トンネルバックにリトラクタブルヘッドライト、フロントバンパー中央の丸い口、それがフェラーリのアイデンティティだと。
360モデナではその全てを捨て、全く新しいアプローチのデザインでした。
トンネルバックは無くなり、エンジンルームが見られるガラスのハッチ、固定式のヘッドライト、そしてフロントバンパーの丸い口が中央に無くなり、左右に位置していました。
愛好家の中では、360モデナ以前と分けて扱われるのは明らかに今までの流れにないデザインだったからでしょう。
私の中でも、もし手に入れられる日が来ても、F355までだとある日までずっと思っていました。
そんなある日、某専門ショップに遊びに行っている時、フェラーリ360モデナなオープンバージョンのスパイダーが入ってきました。
色はブラックで、その美しさに今までの考えがすっ飛びました。素直に「カッコいい!」と思いました。
現物を見ないとわからないものです。
フェラーリ360モデナは大ヒットとなり、現代フェラーリの始まりの一台として名車となりました。

ピニンファリーナを去ったアルカンジェリ氏は、BMWに移り5シリーズ(E60)のデザインをし、社内の取締役会で承認されましたがワールドプレミアを待たずに白血病にて息を引き取ったそうです。
E60はそれまでのBMWの角張ったストレートなデザインから丸いシェープが特徴的なものに変化してました。
元ピニンファリーナでフェラーリ360モデナをデザインしたイタリア人が唯一デザインしたBMWだよと聞かされると納得する、斬新で美しい唯一無二のセダンです。
アルカンジェリ氏は、BMWが新しい顧客層を獲得する為に招聘されたと言われています。
その甲斐あって、E60は今までBMWに全く興味を示さなかった顧客層に支持され、名車と呼ばれる日もそう遠くないでしょう。
私はBMWの中でE60が最も美しいと思っています。

アルカンジェリ氏は新しい時代の天才デザイナーで、生きていれば巨匠と呼ばれる事間違いない人物だったと思います。
自動車マニアの私は、彼がもう少し長く生きていたらどんなデザインの車が生まれたんだろうかととても残念です。
見てみたかったなぁ。
フェラーリが単なる工業製品ではなく、芸術作品といわれる理由はこういった逸話によるものであると感じます。
自動車業界の中では、名車としてこの後もずっと語り継がれる車を生み出したイタリアの天才、ダビデ・アルカンジェリ氏。
車業界で働いている私が尊敬する偉人の一人です。

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